設立趣意書
この度、私たち志を同じくするクリエーターが結集し「洛宙/KANSEIアートプロジェクト」を発足させました。時代の転換点である今年に、京都から新しい美のうねりを起こそうとする試みです。
京都は古(いにしえ)より、日々の暮らしや生産活動など、ごくありふれた営みの中から、色とりどりの文化芸術を紡ぎ出してきた町です。西陣織の一本の糸、清水焼のひと欠片にさえ、洗練と熟成、歴史の重層を見出すことができます。町家や寺社、庭園など町の景観は、佇まいそのものがアートシーンのような趣を醸し出しています。伝統の美が長く生き続けてきたのは、絶えず訪れる時代の波に対応して、受け入れるべき新しい価値は受け入れながら、自己変革を怠らなかったからです。
私たちは、21世紀に生きる者として、これら高い芸術性と多様性に富んだ日本の伝統美に、現代のアート精神を吹き込む―すなわち新しい価値を提供して、京都という格別な環境と調和させながら思う存分に表現したいと考えています。表現ジャンルは自由であり、伝統工芸を含めた上質な美を追求して、機会あるごとに世に問うていきたいと考えています。京都はもとより光が当てられるべき「日本の伝統美」を、私たちなりのスタイルで世界に発信してまいります。作家と鑑賞者の垣根を取り払った独創的な発表の場を設えるとともに、日々の生活に常にアートが寄り添うライフスタイルを提案していきます。
「KANSEI ARTプロジェクト」の発足は、伝統を再構築することで次代に通じる芸術創造の地平を切り拓きたいという私たちのパッションにほかなりません。芸術を愛し伝統の美を慈しむ方々の共感とご理解を願ってやみません。是非とも私たちの活動にご協力賜れましたら幸いです。
2019年7月
洛宙KANSEIアート展実行委員会
実行委員長 富田文隆
洛宙とは
グループ名である「洛宙」は、志を同じくする作家、表現者たちが、一つの流れの様に連なって広大なキャンパスに自己の思いを散りばめていく決意を表しています。芸術の感性は無限であり、その広がりを期待し「宙」を意識しました。洛は元来、洛陽の都に沿って流れる川「洛水」を指し、漢字としての洛には、「連なる」「つながる」「続く」という意味があります。
洛はもちろん京都を意識しており、京都から天空・全方位に向かってアートを発信していく意気込みを込めています。
<洛宙 KANSEI アート展>
- キュレーター
- 諸山正則(工芸史家、元東京国立近代美術館主任研究員)
<洛宙 KANSEI アート展実行委員会>
- 実行委員長
- 富田文隆(木工造形作家)
- 副実行委員長
- 村田好謙(漆芸作家)
- 特別委員
- 久谷政樹(グラフィックデザイナー)
- 顧問
- 佐藤 宏(元京都府議会議員/京都市議会議員)
- 顧問
- 井戸 洋(元京都新聞論説委員)
- 事務局/コーディネーター
- 奥田千夏
洛宙 KANSEIアート展実行委員会 事務局
〒604-8381
京都市中京区西ノ京職司町67-15 ワンパーエイトビルディング2階
TEL. 075-366-6982 FAX. 075-812-1077
MAIL. kansei@ts-esty.com